こんにちは。ジンゴロ(@Jingolox)です!
「パラサイト 半地下の家族」を観てきました!
史上初、アカデミー賞を英語による映画以外で受賞した「パラサイト 半地下の家族」を紹介します。
基本情報
公開:2020年1月10日 (日本)
上映時間: 2時間 12分
主な受賞:第72回カンヌ国際映画祭最高賞(パルムドール)、第92回アカデミー賞作品賞他
映画のあらすじ
キム・ギテク一家は半地下住宅に暮らす貧しい4人家族。父と母は仕事がなく、兄と妹は大学受験がうまくいかない。
ある日、留学予定の友人から家庭教師の引継ぎを頼まれた浪人生ギウが紹介された家は高台に立つ大豪邸。そこで、ギウは大学生になりすまし、IT企業社長パク・ドンイクの娘で高校2年生、ダへの家庭教師になるのだった。
ギウはすぐに母親と娘の心を掴むと、ダへの弟ダソンの美術の家庭教師として、自分の妹ギジョンを知人の大学生として紹介する。こうして、ギウとギジョンは自分の素性を偽ったまま、大豪邸に”就職”した。
「大豪邸」に住む家族と「半地下」に住む家族。対象的な二つの家族が奇妙な関係のまま交わりながら、月日が流れていく。
そんな日々に、突然、衝撃的な出来事が起こるのだった—
キャスト・スタッフ
キャスト
- ソン・ガンホ キム・ギテク:4人家族の父親。現在失業中。半地下住宅に住む
- チャン・ヘジン キム・チュンスク:ギテクの妻。元ハンマー投げのメダリスト
- チェ・ウシク キム・ギウ:ギテクの長男。大学受験に失敗し、浪人中
- パク・ソダム キム・ギジョン:ギテクの長女。美大を目指している。
- イ・ソンギュン パク・ドンイク:聡明なIT企業の社長
- チョ・ヨジョン パク・ヨンギョ:パク社長の妻。美しく、素直。家事は苦手
- チョン・ジソ パク・ダへ:パク社長の娘。恋愛したい高校2年生
- チョン・ヒョンジュン パク・ダソン パク社長の息子。イタズラ好きなやんちゃ息子
- イ・ジョンウン ムングァン:パク社長の豪邸で働く家政婦。桃が大の苦手
- パク・ミョンフン グンセ:ムングァンの夫
スタッフ
- 監督・脚本 ポン・ジュノ:延世大学社会学科卒業。韓国を代表する若き巨匠。「グエムル‒漢江の怪物」「母なる証明」「スノーピアサー」Netflixオリジナル映画「オクジャ/okja」など。
こんな方にオススメ!
以下のような方々にこの映画をオススメします!
- 韓国映画・ドラマファン
- 韓国文化に興味がある方
- 貧困・格差問題に関心のある方
- 映画史に残る映画を観ておきたい方
独断的評価
ポン・ジュノ監督の描く世界観に心が揺さぶられました。二つの家族を対比させるストーリーや、飽きさせない場面の展開はお見事。
評価は⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️☆(星8.5個/最高10個)です。
感想(ネタバレ注意)
半地下の住居はあまり日本にはありませんが、韓国では一般的な住居としてたくさん存在するようです。
Youtube動画をご紹介しましょう。実際の半地下住居をGoogleのストリート・ビューで紹介していますよ(映画ほど貧相な住居ではありませんが。
韓国の半地下をソウルホンデで探しに行って驚いた! 韓国映画パラサイト!
さて、その半地下住居に住む4人家族。ソン・ガンホ演じる父親のだめっぷりがいいですね。自分の家の中でセキュリティ保護なしのWifiを探すシーンのセコさ感が素晴らしく、グッとその世界観に引き込まれました。
その対極にあるといえる大豪邸に、家庭教師として向かうギウ。そこで、社長の妻ヨンギョと娘ダへに出会います。
ヨンギョは女優チョ・ヨジョンが演じます。可愛いフェイスにスレンダーな身体にもかかわらず、豊満なバストで人気のチョ・ヨジョンは今回の映画ではセレブ感溢れる妻を演じます。とても可愛いらしいママでした。
娘役のチョン・ジソ。元々はフィギュアスケートの選手だったといいます。こちらも可愛らしい高校生役を演じました。撮影時は19歳ぐらいかな?
チョ・ヨジョンと、チョン・ジソは正直、二人とも可愛くてよかった!
一家が次々と大豪邸に”就職”、つまりパラサイトしてゆく流れは、まさにコメディとして、とても笑えましたし、面白かったですね。『桃のアレルギー』を利用して家政婦を追い出すシーンは笑いの中に冷酷さが感じられてゾッとしましたね。
社長一家がキャンプに行っている間、大豪邸を自宅のようにくつろぐキム・ギテク一家。突然キャンプが中止となり社長一家が帰宅、慌ててギテク、ギウ、ギジョンが身を隠すシーンも完全にコントなんですが、一つ一つの表現のディテールが良く、印象に残るシーンでした。
隠れているギテク、ギウ、ギジョンが、夫婦の会話を聴くシーンは笑えました。あのパンティーの話が出てくるとは笑
そして、家政婦の夫が借金から逃れるために、豪邸の秘密の小部屋に住んでいた、という展開もまた衝撃的なものでした。予想つかない展開に最初は戸惑いましたが、この映画がただのコメディで終わらなかった大変重要なシーンとなりましたね。
あの世界観、普通思いつきませんよね。脚本が素晴らしかった。韓国が北朝鮮をどう捉えているかもわかって、勉強になりました。
映画は全体的には笑えるシーンが多数盛り込まれていますが、ベースには現在の貧困による格差問題があり、考えさせられるものでした。
アカデミー賞を取ったのは大変な驚きでしたが、韓国映画ならではの人間関係や生活感の生々しさが欧米の観客に受けたことは間違いありません。
ジブリでも欧米に受ける映画は「千と千尋の神隠し」や「もののけ姫」など、日本を強く感じさせる映画が多いものでしたね。
アジア人は欧米文化に憧れ、真似しがちですが、彼らが求めるものは、我々独自のアジア文化に基づく表現や価値観なのでしょう。
韓国映画はこれまでほとんど観たことがなかったのですが、これからもっと注目すべきと思いました。
いずれにせよ「パラサイト 半地下の家族」はとてもオススメの映画です。俳優さんの演技も皆素晴らしいものでした。是非、チェックしてみてください。