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【書評】日本人の勝算 人口減少×高齢化×資本主義|生産性を高めよ!【デービッド・アトキンソン】

こんにちは、ジンゴロ(@jingolox)です。さて、あっという間に一月も終わろうとしていますね…

さて、今回の記事では、以下の本をご紹介しましょう。

 

「日本人の優秀さ」こそ、この国の宝だ――。

日本在住30年、元ゴールドマン・サックス「伝説のアナリスト」、日本文化に精通する「国宝の守り人」、日本を愛するイギリス人だから書けた!外国人エコノミスト118人の英知を結集して示す、日本人の未来。「人口減少×高齢化」というパラダイムシフトに打ち勝つ7つの生存戦略とは。

https://str.toyokeizai.net/books/9784492396469/ 東洋経済 書籍紹介ページより

長く低迷が続いている日本経済を再び回復し、未来の三流先進国にならないために何をすればよいのか、様々なヒントをくれる一冊。

まだ、諦めるには早い!」という著者デービッド・アトキンソンさんの日本に対する想いが詰まった内容となっています。

この本を読むべき人は?

この本は以下のような方々にオススメします。

  • 日本経済低迷の理由を客観的な分析に基づいて理解したい方
  • 日本人が今後何をすべきかをしっかり考えられるようになりたい方
  • これからの自分の人生が不安な方
  • まだ仕事についていない方、学生など。

 

著者のご紹介

この本の著者はデービッド・アトキンソン(David Atkinson)さんです。

1965年イギリス生まれ。日本在住30年。オックスフォード大学「日本学」専攻。裏千家茶名「宗真」拝受。

1992年ゴールドマン・サックス入社。金融調査室長として日本の不良債権の実態を暴くレポートを発表し、注目を集める。2006年に共同出資者となるが、マネーゲームを達観するに至り2007年に退社。2009年創立300年余りの国宝・重要文化財の補修を手掛ける小西美術工藝社に入社、2011年同会長兼社長に就任。2017年から日本政府観光局特別顧問を務める。

https://str.toyokeizai.net/books/9784492396469/ 著者プロフィールより一部抜粋

ゴールドマン・サックス出身で、日本に暮らして30年。現在は日本の重要文化財の補修を手掛ける小西美術工藝社の社長を勤めていらっしゃいます。

小西美術工藝社のホームページはコチラ↓

ある意味、日本人よりも日本に対する思い入れが強い方といえそうですね。

なお、デービッド・アトキンソンさんは、政府が設立した成長戦略を議論する会議である成長戦略会議のメンバーに選出されています。

それで、本の中身をチェックしていきましょう。

『日本人の勝算』から学ぶ!

この本は、日本経済の低迷からの脱却のために日本が何をすべきか、7章に分けて提言しています。

 

第1章 人口減少を直視せよ――今という「最後のチャンス」を逃すな
第2章 資本主義をアップデートせよ――「高付加価値・高所得経済」への転換
第3章 海外市場を目指せ――日本は「輸出できるもの」の宝庫だ
第4章 企業規模を拡大せよ――「日本人の底力」は大企業でこそ生きる
第5章 最低賃金を引き上げよ――「正当な評価」は人を動かす
第6章 生産性を高めよ――日本は「賃上げショック」で生まれ変わる
第7章 人材育成トレーニングを「強制」せよ――「大人の学び」は制度で増やせる


https://str.toyokeizai.net/books/9784492396469/ 目次より引用

 

ジンゴロ
読み進めるとわかりますが、これらの問題は、実際は密接に強く関わっています。

さて、施策を考える前に、問題をしっかり認識することから始めましょう。

日本のように大幅な人口減少に直面していない海外で実施されている従来型の経済政策をそのまま参考にしても、日本では通用しません。

P.22 第1章 人口減少を直視せよ より引用

アメリカ、インドや、南米諸国など、人口が増えていく国の施策は日本には同じようにはあてめることができないといいます。

2060年には8000万人にまで減ってしまうと言われている日本の人口。一気に進む高齢化。将来は、少ない若者が、より多くの老人の負担を背負わなければいけなりません。

人口が減るということは、公的、私的なものとわずにあらゆるサービスの潜在的な需要が減ります。

僕は先日、こんなツイートをしました。

 

もし、「鬼滅の刃」の映画が中国で製作され、中国国内で大ヒットしたのなら、同じコンテンツを作成した労力に対し、単純に人口比で約10倍稼げるわけです。

そうなると、次に生産性向上がとても重要なキーワードになってきます。

日本の生産性の低さはあまりにも他分野にわたっているので、生産性を低くする構造的な問題が存在すると解釈するのが妥当でしょう。この状況を打破し、変えていくには、現行の日本的経営・日本型資本主義の哲学を大きく変えなければなりません。

P221 第6章 生産性を高めよ より抜粋

一部の業種ではなく、日本的経営の根本的な問題というわけです。つまり、個々の企業の努力ではどうにもならない状況。これらの根本的な変革を進めるには、政策によるトップダウンでなされるべきと説きます。

そのために必要な手段として筆者がこの本の中で繰り返し主張する手法が「最低賃金の向上」という施策です。

 

そもそも、なぜ最低賃金の引き上げが生産性を向上させるのに好ましいのでしょうか。(中略)理由は6つあります。

P172 第5章 最低賃金を引きあげよ  から抜粋

 

「最低賃金の向上」と生産性には極めて高い相関関係があるそうです。理由の詳細については、ぜひ本書を見てください。

私はこの本を読む前は、生産性向上を目的とした最低賃金の見直しという方法にはピンときていませんでしたが、本を読んで完璧とまではいかないものの、理解が深まってきました。

欧州各国ではすでにその生産性と最低賃金の関係が重要視され、様々な分析もなされていると言います。日本と世界の雇用形態は大きく違うと想像しますが、果たして同じ論理が日本社会にも通用するのか、さらなる研究結果が待たれるところですね。

さて、最後に筆者の日本に対する厳しい意見をご紹介します。

これだけの危機に直面していても、自ら変わろうとしないのは、普通の人間の感覚では理解できません。異常以外の何者でもありません。

P249 第6章 生産性を高めよ より抜粋

この意見に対して、「そんなことはない!」と反論するのか、素直に受け止めて、変えるべきところは変えてゆくのか。
日本人一人一人がしっかり考えるべき時にきているのではないでしょうか。

まとめ

今回の記事では、日本人の勝算 デービッド・アトキンソン著 を紹介しました。

本書の帯で「厚かましいと言われても、大好きな日本を何とかしたい」と書かれています。

こんなデービッドさんの意見をしっかり受け止めつつ、自分たちは変わるんだ、という意識を持たなければ、きっとこの先もずっと日本(日本人)は変わらないでしょう。

数年前、「日本人はスゴイ」的な自画自賛のテレビ番組が流行しました。私には、日本人の根底に、『良いところばかり見て、都合の良くないところは曖昧なままにしておく』といった性質があるような気がしています。良いところを認識することもとても大切ですが、問題をしっかり解決すべき問題と認識し、恐れずに改善に挑戦することが大変重要と思います。

企業規模の拡大、最低賃金の引き上げ、そして生産性向上。どの分野も強い抵抗勢力がいそうで、簡単ではありませんが、日本が復活を遂げるための重要な方策となりうる手段といえそうです。

我々日本国民はしっかり、その考え方を理解しておき、来るべき変革のタイミングに備え、一人一人が準備しておくべきです。

日本人が自分を見つめ直し、考え直すキッカケとするには最適の一冊。是非読んでみてください。

 

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